夏休み in December

フィリピンから帰ってきた.
香港経由便で福岡からまる1日,翌日から国内線で南西部に飛び,そこからさらに長距離バスで5時間.

目的の洞窟の出入り口は30mの縦穴である.ガイドは地元の役所づとめの若者と,付近の住民.このうちの1人が洞窟を発見したので彼の名前がついている.

しかし,経済格差のある国での人間関係は日本人には理解しがたいな.
調査を手伝ってくれた地元住民の人たちは,全ての荷物を運び試料採集をして,わたしたちはほとんど手ぶらで指示するだけだし
彼らは決して食事を一緒にしようとしなかった.わたしたちが食事を終えた後に初めてその残りを口にする.
お土産のもみじ饅頭は口にあったかなあ?

調査が終わり全ての試料を運び出したときにはすっかり暗くなっていて,雨も降っていた.洞窟と同じ名前の彼が作ってくれたバナナの葉の屋根で雨宿りする.最後に洞窟のなかでずっとわたしに付き添ってくれたガイドさんと握手.
「See you, Maam」

ときどき現れては,石ころを見てあれこれ注文をつけ大騒ぎしながらそれらを運び出していくわたしたちは,きっとほんとにStrange animalだ.
ここしばらく,自分の研究,マテリアルやメソッドもろもろに疑問を抱くことは毎日だけれど,研究のおかげで世界の一部を垣間見れたことは確かだと思う.


写真は一緒だったフィリピン大学のマスター生が撮ったもの.猫も杓子も大学院に行く日本と違って,彼女は本当のエリートである.